VLANは、IPアドレスの範囲ごとに、便宜上割り振られる番号です。
サブネットの記事で、「Wi-Fiのアクセスポイントには、PCに割り当てるIPアドレスの範囲が事前に設定されている」と書きました。
企業であれば、社内にはアクセスポイントだけでなく、監視カメラが設置されていることも多いでしょう。そして監視カメラ1台1台にも、他とは重複しないIPアドレスが割り当てられています。
更に会社でも個人でも、インターネットを利用しようと思うと、その接続のために通信会社はルーターと呼ばれる機械を置いていきます。
想像力を働かせていただきたいのですが、このアクセスポイントと監視カメラは、このルーターにどう接続されるのでしょうか。
答えは、「アクセスポイントと監視カメラを中継機で集約して、それをルーターに接続する」です (この中継機はスイッチと呼ばれます) 。

ここで、スイッチは192.168.0.0/24と192.168.10.0/24の2つの割当て範囲を扱わねばならないことが分かります。
このときスイッチは内部的に、192.168.0.0/24をVLAN1、192.168.10.0/24をVLAN2として別々に扱います。別々に扱うことで、Wi-Fiアクセスポイントを利用しているユーザーが、監視カメラに接続することを防ぐことができます。
このように、VLANとは異なるIPアドレス範囲 (= ネットワーク) が機器により内部処理される際、便宜上割り振られる番号でしかありません。

実務上では「VLANを切る」という言い方がなされたりします。意味するところは、「IPアドレス範囲を分ける」程度のものです。
今回はここまでで。