米国株の決算情報 (私ですと、ROEとかフリーキャッシュフローとか) が欲しいとき、ありますよね。
最新の決算情報ならまだしも、過去分も欲しいとなるとMorningstarやgurufocusを使うことになると思うのですが、イマイチ使いにくいです。そこで本記事では、FMPという会社のサービスを利用して (過去5年分、250回/月まで) 無料で、これらの情報を取得していきます。
(決算情報を取るだけであれば月に250回取得できれば十分かと思いますが、もしそれ以上FMPのサービスを使いたい場合は、$14[=1500円]/月で無制限に使えます。なお、無料枠で使う分にはクレカ登録も必要ありません)
もくじ
FMPにメールアドレスを登録する
1. FMPに接続し、右上のSing Upをクリックします

2. Eメールアドレスとパスワードの入力を求められるので、入力する

3. 入力したメールアドレス宛に、FMPから確認メールが届くので、メール本文内のリンクをクリックして登録を完了する

(英語でメールが届きますが、大したことは書いていません。「メール確認のため、下記のリンクをクリックしてください。心覚えがない場合は、このメールを無視してください」と書いてあるだけです)
APIキーを入手する
1. 登録が完了したら改めてFMPへ行き、今度は右上のLoginをクリックします

2. 先程入力したメールアドレスとパスワードで、ログインします。

3. ログインできたら、今度はFMPのダッシュボードに接続します。下図の赤色の部分にAPIキーが表示されるので、これをどこかにコピーしておきます。

ブラウザから情報を入手する
あとは、下記のURLをブラウザのURL欄に貼り付けるだけです。YOUR_APIKEYと書いてある部分には、先程コピーしたAPIキー (英数字の羅列) を貼り付けてください。
https://financialmodelingprep.com/api/v3/ratios/AAPL?apikey=YOUR_APIKEY
そうすると、下記のような文字の羅列が表示されるかと思います。
[ { "symbol" : "AAPL", "date" : "2020-09-26", "currentRatio" : 1.3636044481554577, "quickRatio" : 1.0158550933657204, "cashRatio" : 0.36071049035979963, "daysOfSalesOutstanding" : 21.433437152796753, "daysOfInventoryOutstanding" : 8.741883356235881, "operatingCycle" : 30.175320509032634, "daysOfPayablesOutstanding" : 91.04818971567418, "cashConversionCycle" : -60.87286920664155, "grossProfitMargin" : 0.38233247727810865, "operatingProfitMargin" : 0.24147314354406862, "pretaxProfitMargin" : 0.24439830246070343, "netProfitMargin" : 0.20913611278072236, "effectiveTaxRate" : 0.14428164731484103, "returnOnAssets" : 0.1772557180259843, "returnOnEquity" : 0.8786635853012749, "returnOnCapitalEmployed" : 0.30705825278265964, "netIncomePerEBT" : 0.855718352685159, "ebtPerEbit" : 1.0, "ebitPerRevenue" : 0.24439830246070343, "debtRatio" : 0.7982666847799239, "debtEquityRatio" : 3.957039440456695, "longTermDebtToCapitalization" : 0.6016060388034584, "totalDebtToCapitalization" : 0.6218348294642289, "interestCoverage" : null, "cashFlowToDebtRatio" : 0.7508749069247952, "companyEquityMultiplier" : 4.957039440456695, "receivablesTurnover" : 17.029466501240694, "payablesTurnover" : 4.008866086627577, "inventoryTurnover" : 41.75301649839941, "fixedAssetTurnover" : 7.466545177609748, "assetTurnover" : 0.8475615027416885, "operatingCashFlowPerShare" : 4.649230448454163, "freeCashFlowPerShare" : 4.2280138811865, "cashPerShare" : 5.241031369137106, "payoutRatio" : 0.24526658654264863, "operatingCashFlowSalesRatio" : 0.2938782944465694, "freeCashFlowOperatingCashFlowRatio" : 0.909400798274537, "cashFlowCoverageRatios" : 0.7508749069247952, "shortTermCoverageRatios" : 9.195714122877009, "capitalExpenditureCoverageRatio" : 11.037624846080176, "dividendPaidAndCapexCoverageRatio" : 3.771575502571295, "dividendPayoutRatio" : 0.2452665865426486, "priceBookValueRatio" : 30.553901085207258, "priceToBookRatio" : 30.553901085207258, "priceToSalesRatio" : 7.272321523437178, "priceEarningsRatio" : 34.773150493918536, "priceToFreeCashFlowsRatio" : 27.211358863304806, "priceToOperatingCashFlowsRatio" : 24.74603147242429, "priceCashFlowRatio" : 24.74603147242429, "priceEarningsToGrowthRatio" : 10.919861107850426, "priceSalesRatio" : 7.272321523437178, "dividendYield" : 0.007053332328502797, "enterpriseValueMultiple" : 26.709057496462002, "priceFairValue" : 30.553901085207258 }, { "symbol" : "AAPL", "date" : "2019-09-28", "currentRatio" : 1.540125617208044, "quickRatio" : 1.3844473032028604, "cashRatio" : 0.46202160464632325, "daysOfSalesOutstanding" : 64.25876528784583, "daysOfI ...
よく見てみると分かるのですが、{…}で囲われた中身が1年間の情報を表しています。上記出力の上部に"date" : "2020-09-26"
とあるので、最初の{…}の中身は2020年9月26日に発表された決算/財務情報だと分かります。
ROEを知りたければ、"returnOnEquity" : 0.8786635853012749
と書いてあるので、最新のROEは87.8%と分かります。出力された情報を追っていけば、昨年度、一昨年度…のROEも取得することができます。
欲しい情報を抽出する
お気づきかもしれませんが、先程のURLの中にAAPL
(Appleのティッカーシンボル)が入っています。この部分をお好きな銘柄のティッカーシンボルに変えることで、お好みの銘柄の財務情報を見ることができます。
例えばMSFT
(Microsoft)の財務情報を見たいときは、下記の通り。
https://financialmodelingprep.com/api/v3/ratios/MSFT?apikey=YOUR_APIKEY
また財務情報(ROE等)ではなく、フリーキャッシュフローを見たいときがあるかもしれません。その場合、先程のratios
の部分をcash-flow-statement
に書き換えて、ブラウザのURL欄に貼り付けます。
https://financialmodelingprep.com/api/v3/cash-flow-statement/AAPL?apikey=YOUR_APIKEY
このURLに対する出力も先程と同様に、年次ごとに{…}で括られたものが出てきます。その中の"freeCashFlow"
の項目を見れば、フリーキャッシュフローが分かります。
ROEやフリーキャッシュフロー以外に何の情報が取れるかは、FMPのドキュメントを参照していただくのが一番かと思います。英語なので骨が折れますが、心当たりのあるワードを検索して見つけてみてください。
いずれも要領は同じで、URL中のratios
やcash-flow-statement
の部分を他の文字列に置き換えて、ブラウザに入れていくだけです。
まとめ
FMPを利用した、米国株の財務情報取得方法を紹介しました。その方法はURLを自分で作って、それをブラウザに貼り付けるというものでした。
少しプログラム寄りの話題にはなりますが、これをCURLコマンドやPython/requestsと組み合わせることで、更に応用が広がっていきます。
なお今回のブラウザでの情報取得について、250回/月の制限がある部分にだけは、ご注意いただければと思います。