反脆弱性は、優れたアイデアです。使っていると分かります。
もくじ
反脆弱性
反脆弱性とは、衝撃を受けて (壊れるのではなく) より強くなる特性のことです。
これは「トラブルが起きたときに破綻するのではなく、むしろそこから利を得る特性」と言い換えることもできます。そしてこれを実現する鍵は、(無償の) オプションを沢山持っておくこと、これだけです。
何事もバックアッププランを用意していないから、トラブルがトラブル足りえるわけです。事前に想定できるトラブルに対しては事前に対策を準備し、事前に想定できないトラブルに対しては逃げ道をありったけ準備しておく、これが肝です。
旅行に行くのであれば、電車や飛行機を乗り過ごしてしまったときにどうするかを事前に考えておくこと、旅先に詳しい人に片っ端から当たっておくこと、そして時間とお金に余裕を見ておくこと、これらが反脆弱性をもたらします。
反脆弱性 ≒ オプション性 ≒ 思考力/行動力です。
そして膨れ上がったオプション性は、事前プランの厳密な遂行を嫌います。事前プランにないものでも、そこにより良いオプション (= チャンス) があるのであれば、それを取るべきです。
こうして反脆弱性は、①トラブルに対する耐性と、②チャンスに対する積極性をもたらします。そして結果、反脆弱性を持つことが生存に有利に働きます。
ナシーム・ニコラス・タレブ
反脆弱性は、哲学に関わるアイデアです。「どう生きれば良いか」という問いに、「取り敢えず、ありったけのオプションを確保しておけ」と示唆をします。
実際、反脆弱性の提唱者のナシーム・ニコラス・タレブは、「不透明性のもとでの意思決定」を自身のテーマとしている人間です。ブラック・スワンという言葉を生み出したのも彼で、Amazon CEOのジェフ・ベゾスも彼のファンです。
彼の本を読んでいると、少し理屈っぽく、悪い意味でオタクっぽい印象があります。それでもファンドマネージャーとして稼いでいることもあり、素晴らしい方でもあります。
まとめ
反脆弱性は優れたアイデアです。つまり、このアイデアを知り、実行した瞬間に得をします。そして、これが広まれば広まるほど、世界が良くなります。
[…] ベルで取りうる最良の生存戦略は、「ありったけのオプションを確保」することです。 […]
[…] とで、①トラブルに対する耐性と、②チャンスに対する積極性を得ることができます。 […]