本でも出ている『1兆ドルコーチ』ですが、SlideShareで概略を無料で読むことができます。
(そして、こちらの方が本よりも良くまとまっています)
リンクは、下記の通りです。以下より、和訳していきます。

シリコンバレー、ビル・キャンベルのリーダーシップ教本のオープンソース化

彼は何をしたのか?
ビルの原則について

良いリーダーになるには、まずあなたが素晴らしいマネージャーである必要がある。自然と尊敬されるようになるべきで、それを自分から求めるようではいけない。

全てのマネージャーの最優先事項は、部下の(長期的な)幸せと成功である。

メンバーと良い信頼関係を築くには、(ビジネスには関係のない)旅行の話題のような、個人的なものをチームミーティングで話すところから始めよう

時間を確保して、1-on-1面談を(定期的に)実施しよう。これが部下を効率的にさせ、成長も育む一番の方法。

マネージャーの仕事は、意思決定プロセスを走らせること。あるゆる視点からの意見を取り入れ、考慮すること。また必要なときには議論を打ち切り、決定を下すことも必要。

その場その場に応じて、会社やプロダクトを始めたときの(ピュアな)理念に基づく、普遍の「原理」を見出す。それが決定を下す際のガイドラインになる。

「型破りの天才」は高いパフォーマンスを示す一方で、チームワークができない。①彼/彼女らの行動が非倫理的でなく、悪意のないものであり、②彼らの業績が周囲(マネージャー・同僚・チーム)の苦労を上回っているならば、「型破りの天才」に耐え、時には守ってやるべきである。

部下に(お金の面で)報いることは、愛と尊敬を示す何よりの証明になる。これは、彼らを会社に留め、会社の目標に向けて働いてもらうことにつながる。

あまねく会社の使命は、人々の人生の中に、プロダクトが示すビジョンを持ち込むことにある。サービスも、そのプロダクトの一部でしかない(=プロダクトが全て)。

自分の意見を交えずに傾聴すること。彼らが自身を信じる以上に信頼し、勇気の伝道師となること。

下記の特徴満たすような「素直」な人間だけを、コーチする。
誠実かつ謙虚、約束を守り続ける、ワークハード、一貫した向上心。

全身全霊かつ漏れのない態度で話を聞き、先読みせず、本質を突く問いを投げかける。

突き抜けて正直かつ率直であること。ポジティブにしてもネガティブにしても、フィードバックは何かが起きたら即座に実施する。ネガティブなフィードバックであれば、プライベートな空間で、フォローの言葉をセットにして実施すること。

「何」をすべきかは語らず、物語を語ること。彼らがベストな決定を下せるよう、サポートに徹すること。

部下が自身を信じる以上に信頼し、彼らが自信を持つ手助けをすること。

自分の仕事が天職だと確信でき、アイデンティティ全体が仕事に向かうとき、部下は最大のパフォーマンスを発揮する。

チームが最優先。なので、この姿勢を持っているかが、部下の資質で一番大事。

問題(あるいはチャンス)に遭遇したときの最初のステップは、正しいチームが配置されているかを確認すること。
(訳注:問題自体ではなく、適材適所に取り組むこと)

人間性で一番見るべきは、知性と情熱を持っているかどうか。そして、素早く学ぶ能力、ワークハードを厭わない意思、誠実さ、やり抜く力、共感力、チームファーストの姿勢。

1対1の関係性は見逃されがちだが、とても重要。プロジェクトや物事の決定に際して、機会を見付けてペアを組ませること。

勝利は、最高のチームを持てるかどうかにかかっている。そして最高のチームには、多くの女性がいるものだ。
(訳注:マネージャーはプレーヤーになるのではなく、机に座って最高のチーム作りに取り組めと言っている。多分)

「最大の問題」が何なのかを特定し、まずその問題から取りかかれ。
(訳注:部屋の中の象のように、「大きすぎてむしろ見逃してしまう」ような問題に取り組めというニュアンス)

ネガティブな気持ちを入れ替えて、引きずられず、可及的速やかに前へ進め。

勝ちにはこだわりながらも、コミットメント・チームワーク・誠実さに基づいて、正しく勝つこと。

何か状況が悪いとき、リーダーのより強い忠誠心・コミットメント・決意が、チームには必要とされる。

よく聞き、観察し、部下の間のコミュニケーション・ギャップや認識齟齬を埋める。

部下もひとりの人間で、あなたが「仕事とプライベート」の垣根を取り払い、全ての人間を愛で抱きしめるとき、チームはより強くなる。
(訳注:「個人的感情を仕事に持ち込むな」ではなく、むしろ仕事の中で(恥じることなく)人を愛せと言っている)

部下にプライベートのことも聞いてみる。彼らの家族を理解し、自分の家族も紹介する。

オフィスで座っているのではなく、立ち上がって、部下に仕事っぷりを愛していると言いに行け。大きな拍手をして、指笛を鳴らして応援せよ。活力を送り込んで、活動的にさせろ。

仕事の内側にも外側にも、コミュニティを築け。人々がつながると、その「場」はより強くなる。

あなたの時間、人間関係、他のリソースを、惜しみなく共有せよ。

格別の尊敬を持って、創業者に接する(時には守る)。彼らは、どデカい情熱とビジョンを会社に注いだ人達なのだから。

エレベーターの中、オフィスですれ違うとき、カフェで見かけたとき、足を止めてお喋りしよう。

あなた達がこれらの原則に則り、より良いマネージャー・コーチ・リーダーになることを願いいます。
そうすれば、ビルも喜んでくれるでしょう。
なお、『1兆ドルコーチ』の前編とも言える『How Google Works』については、Gigazineで読むことができます。